夫婦と3人の子ども、そして奥様のご両親。7人が暮らす二世帯住宅である。完全に生活を分離するのではなく、家族の気配を感じながら暮らせる関係を保ちつつ、7人分の生活が重なっても過度な生活感が現れない住まいを目指した。玄関には、ホールへ直接入る動線とシューズクロークを経由する2つの動線を設け、7人分の靴やアウターなどを集約することで、玄関から生活感を切り離した。1階にはご両親のリビングと寝室に加え、浴室、ランドリールーム、ファミリークロークを連続させ、洗う・乾かす・しまう・着替えるという一連の家事動線を集約。ガス乾燥機を備え、7人分の衣類を効率よく循環させる計画とした。2階は家族が集まるLDK。7人が同時に食卓を囲めるよう、キッチン前のカウンターとダイニングテーブルを組み合わせた。リビングは道路斜線による断面形状を活かした勾配天井とし、広がりと光を取り込んでいる。3階の書斎や廊下とはガラス越しにつながり、家族それぞれが別の場所で過ごしながらも、視線と気配によって緩やかにつながる構成とした。小上がりには収納を設け、LDKの奥には2つの子ども部屋を配置した。3階には夫婦寝室、奥様の書斎、ご主人の書斎を配置し、将来子ども部屋として転用できる計画とした。洗面脱衣室とシャワー室を設けることで、共有を基本とする二世帯住宅の中にも、それぞれのプライベートを確保している。最上部には、水道を備えた大きな屋上テラスを設けた。1階から3階、そして屋上へと暮らしを立体的に積み重ねることで、限られた敷地の中に7人それぞれの居場所と、家族が集まる場所をつくった。この暮らしを支えるのが全館空調である。全館空調に伴う天井内のダクトは、寝室や廊下など天井を低くしても落ち着きのある場所に集約し、家族が集まるリビングでは天井を高く確保した。設備による制約を空間の性格へと変換し、低く落ち着く場所と、高く開放された場所をつくっている。収納、家事動線、光、気配、温熱環境を一つの住まいの中で編み合わせ、7人それぞれの暮らしと、家族が集う時間を立体的に描いた。

