未来の施主とは建築時には施主(住まい手)がいないということ。
建売住宅をハイクオリティで建てたいとディベロッパーから依頼を受けた。
仮想の住まい手を設定し、想像し、家を作り上げた。
不動産のロジック(面積や部屋数)ではない、建築のロジック(空間と機能)で建売住宅と向き合った。
ドアを開けると、正面にストリップ階段。
アイキャッチを作りながら、廊下と兼ねることで広々とした玄関である。
水回りはトイレ、洗面、脱衣、風呂と、横一列の動線とし、すべてを引戸で分けることで、開け放して使用することも可能な配置とした。
LDKには北側斜線により生まれる大屋根を利用し、大空間の吹抜けを設けた。
吹抜けに面する三階ホールにはデスクを設け、立体的な空間利用ができる。
ウォールナット・グレー・ブラック。
誰もが好きな無難なデザインではないが、きっと好きな人がいるだろう。
そんなカラーコーディネートになっている。
未来の施主は楽しんで暮らしてくれているだろう。
設計: 内藤 正宏
施工: 株式会社楽家
構造 : 木造3階
敷地面積 : 73.71㎡
延床面積 : 116.98㎡
竣工: 2023年2月
エリア: 東京都