未来の施主とは建築時には施主(住まい手)がいないということ。 建売住宅をハイクオリティで建てたいとディベロッパーから依頼を受けた。 仮想の住まい手を設定し、想像し、家を作り上げた。 不動産のロジック(面積や部屋数)ではない、建築のロジック(空間と機能)で建売住宅と向き合った。 都内の敷地ではしっかりと間口が取れた敷地。 ガレージを二台分設けた。建売のためどのような使われ方か不明なため、ガレージには水栓を設け多目的な使われ方を想定した。 玄関は道路から奥まった位置に配置し、アプローチを進む中で帰ってきたと思える場を設けた。 玄関を開けると広がりのあるホール空間。 正面の窓に向かって進んでいく。階段を上るとリビングが見えてくる。さらに階段を進むとテラスの窓からの光、三階のホールから見えるリビング。 階段を中心に屋外窓、屋内窓が連続してシーンを繋いでくれる。 洗面室、ファミリークローク、ランドリールーム、サービスバルコニーをLDKのある二階に設け家事をワンフロアで完結できる構成とした。 一階と三階に個室を設けることで家族内のプライバシーにも配慮した。 未来の施主は楽しんで暮らしてくれているだろう。
設計 : 内藤 正宏
施工 : 株式会社楽家
構造 : 木造3階
敷地面積 : 124.84㎡
延床面積 : 170.90㎡
竣工 : 2025年4月
エリア: 東京都