未来の施主とは建築時には施主(住まい手)がいないということ。
建売住宅をハイクオリティで建てたいとディベロッパーから依頼を受けた。
仮想の住まい手を設定し、想像し、家を作り上げた。
不動産のロジック(面積や部屋数)ではない、建築のロジック(空間と機能)で建売住宅と向き合った。
幅員6mの北側道路と4mの西側道路の角地。
2aかつ35mの道路車線緩和を使い、最大限のボリュームを確保した。
玄関ドアを入ると二層吹き抜けの大空間。
正面にはアイキャッチのストリップ階段と地窓。
吹き抜けには黒いブリッジが浮いている。
ガレージは車2台分の広さでシューズイン経由で玄関に合流できるダブルアクセスを採用。
北の道路には小学校の桜並木。テラス、リビングからはお花見ができる。
リビングは天井を高くし、開放感を高めた。
室内どうしの窓、内外の窓と窓から見える景色が多様である。
洗面、脱衣、クローク、浴室はすべて引き戸でアクセスできるようにし、普段使いと来客時で使い方を分けられる。
ウォールナット・グレー・ブラック。
誰もが好きな無難なデザインではないが、きっと好きな人がいるだろう。
そんなカラーコーディネートになっている。
未来の施主は楽しんで暮らしてくれているだろう。
設計: 内藤 正宏
施工: 株式会社楽家
構造 : 木造2階
敷地面積 : 136.34㎡
延床面積 : 142.77㎡
竣工: 2024年3月
エリア: 東京都