未来の施主とは建築時には施主(住まい手)がいないということ。
建売住宅をハイクオリティで建てたいとディベロッパーから依頼を受けた。
仮想の住まい手を設定し、想像し、家を作り上げた。
不動産のロジック(面積や部屋数)ではない、建築のロジック(空間と機能)で建売住宅と向き合った。
誰が住むかはわからないが、この「場」は確定している。
「場」の特性を最大限増幅させることを意識した。
都内特有の旗竿敷地。
竿部分に面するように西側敷地にあるお堂には立派な桜の木が立ち並ぶ。
この桜の木をできる限り室内へと導く。
この借景は都内の密集地ではありえない豊かさを感じさせる。
玄関、リビング、個室。様々な角度から感じられる緑。
未来の施主は楽しんで暮らしてくれているだろう。

