未来の施主とは建築時には施主(住まい手)がいないということ。
建売住宅をハイクオリティで建てたいとディベロッパーから依頼を受けた。
仮想の住まい手を設定し、想像し、家を作り上げた。
不動産のロジック(面積や部屋数)ではない、建築のロジック(空間と機能)で建売住宅と向き合った。
都内の敷地ではしっかりと間口が取れた敷地。
ガレージを二台分設けた。建売のためどのような使われ方か不明なため、ガレージには水栓を設け多目的な使われ方を想定した。
玄関は道路から奥まった位置に配置し、アプローチを進む中で帰ってきたと思える場を設けた。
玄関を開けると広がりのあるホール空間。
正面の窓に向かって進んでいく。階段を上るとリビングが見えてくる。さらに階段を進むとテラスの窓からの光、三階のホールから見えるリビング。
階段を中心に屋外窓、屋内窓が連続してシーンを繋いでくれる。
洗面室、ファミリークローク、ランドリールーム、サービスバルコニーをLDKのある二階に設け家事をワンフロアで完結できる構成とした。
一階と三階に個室を設けることで家族内のプライバシーにも配慮した。
未来の施主は楽しんで暮らしてくれているだろう。

